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相手は、若い憲兵だった。
軽装の鎧を身に纏い、街の治安を維持する人達である。
パッと見て、全部で十数人はいる。
彼らは隊列を成し、ここに集結しに来ているようだ。
その最前列にいた人と、僕は衝突したのだと解った。
「す、……すいません!?」
「ここの現場は、今から我らが検証するんだ。…邪魔をするんじゃない!!」
若い憲兵は腰に帯刀した剣を抜き、僕の目の前へ突きだしてくる。少しでも動けば、刺してきそうだ。
僕なんて低身長で、黒い髪と白い肌の中肉中背。全く何の特徴もない弱々しい見た目の男である。
そんな事をされたら、簡単に死んでしまうだろうと思った。
その時、ーー
「やめなさい。」
と僕達の間に、白い鎧を着た女性の騎士が割り込んできたのだ。
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