36人が本棚に入れています
本棚に追加
「レベッカ隊長!?」
と驚いた若い憲兵が、すぐに剣を鞘に納める。
「我らの剣は、民間の方に向ける物ではない筈です。」
「し、失礼しました。」
「気が立つのは解りますが、少し落ち着きなさい。……それと、謝る相手が違いますよ。」
それから二人は同時に頭を下げ、丁寧に謝罪をしてきた。
「私の部下が、大変に失礼な事をして申し訳ありません。」
「い、いえ。僕も……よく前を見なかったのがいけなかったので、お気になさらず……。」
「わかりました。では、我々は当初の目的に移らせてもらいます。」
と隊長さんは、抜く手も見せぬ動きで、他の憲兵達に指示を出す。
彼女の部下達も、一糸乱れずに雑貨屋の中に入ったり、聞き込みなどの調査を始めていく。
「本当に、申し訳ありませんでした。」
律儀にも、隊長さんが再び頭を下げてきた。
なんと格好いい人だと思う。
言動や姿勢のみならず、短く揃えられた金髪や整った顔などの容姿も、彼女の評価に繋がる要因であろう。
だが、彼女が顔を上げた時に、僕の顔を一瞥して、「おや、?」と首を傾げてきた。
それを見て僕は、ヤバいと思った。
最初のコメントを投稿しよう!