仲直りとそれから

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※ 「ハッ………。」 ゆっくりとした動作で奥まで挿れると、灰塚は熱く息を漏らした。 ドクドクと腹の中で脈打つソレに反応して、俺は無意識に後ろを締め付けてしまう。 灰塚はぐっと息を呑んだ後、俺の耳に顔を近づけて囁いた。 「……ッ……動くぞ。」 そう言うと、灰塚は少しずつ腰を動かしていく。 グチュッ、バチュッ 「はあ…っ……ぁ……あぁっ……!」 俺の気持ちよくなるスポットを先端で擦り上げながら、灰塚は奥を突き上げた。 「アッ…あ"ぁっ…!やべえ…ぁ…奥も、キモチイイ……!」 ヤツの動きに合わせて気持ち良さを伝えると、ご褒美とばかりに唇にキスされた。 「ん"ぅっ…ふ…ッ…ンン!」 舌を絡めながら掌で円を描くように胸を揉まれる。 そして赤く腫れ上がった尖りを強く押し潰されると、俺の目にジワリと涙が滲んだ。 深い口付けを解き、上唇や下唇をはみながら灰塚は珍しく切なげな声で俺に強請る。 「黒也…ッ…俺の名前呼んで……。」 そう言って見つめる灰塚の顔が、ものすごくエロくて可愛く見えて……。 俺は息を乱しながら小さな顔に手を添えて、とっておきの言葉で囁いてやる。 「………和臣、だいすき。」 すると灰塚……和臣は切長な瞳を蕩けさせて幸せそうに笑った。 そして指を絡めてラストスパートとばかりに腰の動きは早くなる。 精を放つ直前に和臣は後孔から自身を引き抜いた。 ドクンッ 「くっ……!」 ヤツのモノから放たれた白濁は、容赦なく俺の腹やイチモツにかけられる。 俺は和臣がイッた姿を目の当たりにして、ゾクゾクと背筋から快感が込み上げてきた。 「ああッ………!」 気づけば俺の頭は真っ白になって、自身からトプリと白濁を放っていた。 (嘘、だろ……俺触られずにイッたのか?) その事実を受け入れられず、しばらく無言でいる俺。 ーーー恋人になった後のセックスは、想像以上に気持ちいいものだった。 和臣は未だに熱が冷めていない様子だったが、ティッシュを取り出すと俺の汚れた腹を丁寧に拭き始めた。 「…………。」 俺は照れ隠しで剣呑な眼差しになり、顔を少し逸らしながらポツリと呟く。 「あ、ありがとう…………和臣(・・)。」 そう言うと、和臣は目を丸くさせて固まった。 「お前………。」 「これからお前のこと、そう呼ぶから……。付き合ったんだし、当然だろ。年上とか年下とか関係ねーから。」 早口で捲し立てると、俺は床に落ちた制服を身につけて立ち上がった。 「そういう事で俺はもう行くから!!」 そう言って全速力でこの部屋から逃げようとすると、後ろから和臣に抱きしめられた。 「ッ、」 「バカだな。そんな可愛いこと言われたら、帰したくなくなるだろうが。」 そして薄い唇が俺の耳を撫でて、和臣は甘い声で囁く。 『それにまだご褒美は終わってないけど?』 「へっ………。」 ガバッ するといきなり和臣は俺を担いだ。 そして適当な帽子を俺に被せると、いつの日かお世話になった裏道の扉を開けた。 (あれ、なんかこの展開どこかで見たような……。) 「んじゃ、俺の部屋に帰って続きするか。愛し合うならやっぱベッドの上だよな。」 「いや、さっきので終わりのはずじゃ……。」 「何言ってんだ。俺が1回で終わらせる筈ないだろう。」 「ッ!?」 鼻歌を歌いながら和臣は裏道に続く扉を潜り抜けた。 「ちょっ…おい、待て……!そんなのアリかよおおぉぉ!!」 バタン 俺の悲痛な叫び声は、裏口の扉が閉まると同時に掻き消される。 その後、連れ去られた俺は和臣が満足するまで執拗に抱かれ続けたのであった。 ーーーーーー ーーーー
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