猟師と狼

3/5
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 すると、狼は銃身の閃光に気づいて咄嗟に逃げ出した。  馬之助は逃げる方へ銃口を向け、照準を合わせた。 「ズドン!」  殷々たる銃声が轟くや、硝煙を突き破った弾丸は見事に命中して狼はぶっ倒れた。即死だった。 「どうだ、見たか!」 「ほほう、てゃしたもんだがや、どえりゃあええ腕だがね。」 「そうだろ、ハッハッハ!」と馬之助は見るからに得意そうに笑った。「おい、お前のお陰もあって大物の狼が獲れた。どうだ、一緒に丸焼きにして食うか!」 「いや、わしは遠慮しとくわ。」 「何でだ?酒も奢ってやるぞ!」 「いや、わしはやらんがね。」 「飲めねえ口か?」 「そうだがね。とろくさいでしょう。」 「ハッハッハ!それじゃあしょうがねえ。」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!