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或る日のこと、大層、珍しい鏡を所有する男がいるとの噂を耳にした御前様は、興味津々になって、その男を謁見所に呼び寄せることにしました。
「そなたが大層、珍しい鏡を持つ男であるか?」
「へえ、左様でございます。」
「では、風呂敷を解いて見せてみよ。」
「へえ。」と男は返事をして言われた通りにすると、枠と柄に赤い漆塗りが施された手鏡が出て来ました。
「一見したところ何の変哲もない手鏡のようじゃが、どのように珍しいのじゃ?」
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