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その晩、白雪姫が寝静まると、御前様は殺生石を携えて忍び足で白雪姫の閨房へ行き、襖を少し開け、殺生石を左右に一回ずつ振ってから中へ置き、襖を閉めました。
すると、暫くしてから、「苦しい!苦しい!」とのた打ち回り悶え苦しむ白雪姫の悲鳴が上がった後、直ぐに静かになりました。ですから確かめたくなった御前様は、襖を開けてみると、その途端、ガス煙が中から溢れ出て来ました。
で、しまった!一生の不覚じゃ!と叫んだ時には容赦なく自分の鼻の中へ入って来ましたので御前様はちょっと息を呑んだだけで毒に侵されバタンと音を立てて倒れ、白雪姫の死を確認することなく事切れてしまいました。
この親子を死に追いやったのは、手鏡と殺生石を御前様に献上した男に化けた死神でした。
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