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今、自分が組み敷いているのは動画の中のソウではない。会社で同期のスーツ姿の望月だ。自分はソウではなく望月に、ちゃんと欲情している。
「マジで、この先もしていいの? こんなに展開早くて大丈夫?」
「僕だって、せいいっぱい勇気出してるんだけど!」
確かに、望月にしては積極的だ。こっちは煽られっぱなしだ。
「それに、大橋くんの気が変わったら困るし」
「そんなこと気にしてたのかよ。普通、両思いだってわかって、即ヤッたら嫌われない?」
「それは、女の子の話でしょ」
明らかに目の前の望月が不機嫌な言い方になる。
「いやいや、そこはさ、今まで女性としか経験がないんだから、大目に見てほしいんだけど」
「僕、童貞だからよくわかんない」
ぷい、とふくれっつらの望月は顏を背ける。そんなかわいい顏をされたらこっちが困る。
「そっか、童貞……なぁ、俺、おまえのそれ、これからも女に使わせる気ないけど、大丈夫?」
自分と付き合うということは、挿入される側、すなわちネコになるってことだ。
「いいよ。そもそも、僕が誰かを抱くなんて想像できないし」
「じゃ、俺はおまえの処女もらうけど、いいんだな?」
望月は、頬を赤らめ、恥ずかしそうに頷いた。
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