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12年前の秋―― 私は15歳になったばかりの中学三年生。ひょろっとした身体つきで、背ばかり高い。いろんなコンプレックスを抱えた、どこにでもいる思春期の少女だった。 そして、たいていの女の子がそうであったように、恋をしていた。 初めての恋は、思春期の少女を自意識過剰にする。外に出かける時は、たとえ行き先が近所の商店街であろうと、髪型や服装に気を配り、お洒落をした。 いや、近所の商店街だからこそ、気合を入れたのだ。
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