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素で可愛い子は、一眼レフカメラで撮ったようにシャキッとさせてそれを際立たせている。湊が正直微妙だなと思っていた女子の写真も、色味を強くさせてほんわか可愛く見せているためそれを見た湊は不覚にもちょっとドキッとしてしまった。
「いやほんと、よくやるよ」
湊は呆れたように言った。
「なぁ、前から思っていたけど、なんでそこまで頑張んの? 加菜絵はSNSやっているわけでもないんだろ」
「まぁ、そうなんだけどね。でも盛ってると楽しいじゃん」
笑顔で話す加菜絵とさっぱりわからんと首を傾げる湊。対極的な二人の様子を見て、ニヤニヤと笑いながら蓮が言った。
「加菜絵は小学校のとき、最初は絵ばっか描いてたけど、小4くらいか? 写真いじるのにハマりだしたんだよな」
小学校から高校まで付き合いのある蓮は物知り顔で言った。
「ちょ、ハズいからそんな昔のこと言わないでよ」
顔を赤らめ、加菜絵は蓮の肩を叩いた。
「そんな前からやってんのか、すげぇな。なんかきっかけとかあんの?」
加菜絵が恥ずかしそうにしながらチラッと見ると、湊が真面目な顔して見つめている。それを見てどうしたものかとしばらく悩んでいたかと思うと、おもむろに手帳から2枚の写真を取り出した。
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