同盟

3/8
1136人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
「早速ですが、東堂組長。同盟を結びたいと海から聞きました。具体的な内容を教えて頂いても?」 「はい。単刀直入に言います。我々、東堂組の目的は現雨宮組若頭、雨宮千歳から白井雪也の奪還です。」 「それは、我々も同じ意見だ。それだけだったらわざわざこんな大勢で話し合わなくてもいい。東堂組長、あなたの本当の目的は?」 親父は勘が鋭い人だ。何か思ったことがあるのだろう。東堂伊織を見ると顔色ひとつ変わっていない。 「東堂組長、もう1度聞きます。あなたの目的は?」 親父の問いに東堂伊織はゆっくりと口を開く。 「奪還というのは表向きです。ここからは組長ではなく1人の人間としてお願いします。」 東堂伊織は立ち上がると頭を下げる。 「俺と俺の弟の両親を殺した雨宮千歳に罰を与えたいんです。協力をお願いします。」 「私からもよろしくお願いします。」 東堂伊織と共に坂下雅良も頭を下げる。親父は2人を見て口に手を当てて考えている。 (親父……。お願いだ断ってくれ!日比谷だけでも雪也君の奪還はできる。断れ断れ断れーーー) 俺の願いは親父の言葉に打ち砕かれる 「同盟を結びましょう、東堂伊織組長。ただし、我々が関わるのは雪也の奪還までの道。そこからはあなた自身が行ってください。それが条件です」 親父の言葉に東堂伊織は顔を上げて少年のような笑顔になる。 「はい、ありがとうございます。日比谷幸弥(ゆきや)組長。」 俺の願いも虚しく、合同作戦会議が始まった。
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!