二日目

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二日目

 顔に刺さったのは朝日ではなく、冷水だった。慌てて飛び起きる。    豪雨だ。    急いで起き上がり、雨宿り出来そうな木の下に駆け込む。  体は長く雨にさらされていたようだ。全身、夏場とは思えないほどに冷えきっている。  寒かったが、暖まる術はもちろんない。なぜ気がつかなかったのだろう。  葉を滴り落ちる雨粒が、私の少ない体力を吸い取っていく。  私は早く止むことをひたすら祈るしか無かった。  広大な森のなかにただ雨の音だけが響く。  雨は幸いにして、一時間程で止んだ。だが、ただでさえ弱っていくばかりの、私の心と体を痛め付けるには十分すぎた。  腹が大きく鳴る。冷えは昨夜の団栗と共に私の腹を荒らしていた。慌てて道の傍らで出すものを全て出す。体力と水分をすべて使い果たした気分だ。  なにもしたくない。木の下でじっと丸まっているのがすごく落ち着く。  冷えた地面に鉛色の空。ふと、家が恋しくなった。
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