【お笑い系SF小説】サイボーグGさんは、人類を救えるのか？

メタリック・ボデーの憎いヤツ

　この目立つ銀色のサイボーグの小さな「人助け」は、たちまち話題になった。

ーG様のお陰で、夫婦仲直りできました！
ーこの問題の解き方。G様が教えてくれました！
ー会社に遅刻しそうになった時、G様が乗せてってくれました！
ートイレットペーパーがないのに気付いた時、G様がそっとトレペを差し出してくれました！

　SNSやら口コミで、「メタリック・ボデーの憎いヤツ」と評判が評判を呼び、「困った時のGさん頼み」という流行語まで飛び出す始末だった。
　この騒動に驚いたのが、新木と熊本、それにナターシャだった。
「おいおい、あと２日かしかないのにGさんのヤツ、なにを『小さな親切運動』展開してんだよ」
　新木がぼやくと、熊本が全くだとうなずいた。
「緘口令が敷かれていても、完全に噂になってますね。小惑星帯の接近」
「これが、人類を滅ぼすほどの厄災になるなんて、みんな知らないのよネ。呑気な人類」
　ナターシャは、まるで人ごとの様に言った。