空気を読まぬGさん

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空気を読まぬGさん

「むう、どうしたのぢゃ? 揃いも揃って」    イラッ  この空気を全く読まないGさんのふざけた態度に、ついに新木がブチ切れた。 「おい、クソジジイ! 何呑気な事言ってんだ!」  思いきり、罵声を浴びせた。    もわ  Gさんの体が全身、灰色にくすんだ。 「なんぢゃ、藪からスティックに」  この、使い古された寒いギャグに、温厚な熊本も怒りを露わにした。 「Gさん、この状況を前に、そんなショボいギャグかましてる場合ですか!」 「なんぢゃと? このギャグがショボいとな? むう、そうか。ちょっとふルーかったかのう」 「てめーっ、被せてんじゃねえ、クソジジイ!」  新木が、Gさんに殴り掛かった。  ゴン 「ってーっ!」  新木は忘れていた。この世のどんな通常兵器でも、Gさんの体には傷一つ付けられないことを。
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