20人が本棚に入れています
本棚に追加
空気を読まぬGさん
「むう、どうしたのぢゃ? 揃いも揃って」
イラッ
この空気を全く読まないGさんのふざけた態度に、ついに新木がブチ切れた。
「おい、クソジジイ! 何呑気な事言ってんだ!」
思いきり、罵声を浴びせた。
もわ
Gさんの体が全身、灰色にくすんだ。
「なんぢゃ、藪からスティックに」
この、使い古された寒いギャグに、温厚な熊本も怒りを露わにした。
「Gさん、この状況を前に、そんなショボいギャグかましてる場合ですか!」
「なんぢゃと? このギャグがショボいとな? むう、そうか。ちょっとふルーかったかのう」
「てめーっ、被せてんじゃねえ、クソジジイ!」
新木が、Gさんに殴り掛かった。
ゴン
「ってーっ!」
新木は忘れていた。この世のどんな通常兵器でも、Gさんの体には傷一つ付けられないことを。
最初のコメントを投稿しよう!