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再度カメラを置き直した私は、二人を前に立たせた。
「壮馬、変顔、絶対禁止たからね!」
「いや、変顔してない……んだけど」
「プッ、プワッ、ははは」
「葵、うるさい!」
こうして撮られた写真は加工により、翌週からポスターとなって廊下に張り出された。左に暗いオーラを放つ壮馬と、右にバカ笑いをしている葵。
アンバランスなのか、プラスマイナスゼロなのか、どちらにせよ新入部員が一人でも入ればなんとか存続させることができるのだから、それはそれでいい。
私の期待も虚しく、入学式の終わった後、その反応は何もなかった。
「あー、どうしよう……」
頭を抱える私に、葵が抜けたような笑顔で言った。
「じゃあさ、新入部員にカメラプレゼントっ、てことにしようよ」
「は? そんなお金どこにあんのよ、だいち大勢来たらどうするの? 千円、二千円じゃ買えないのよ?」
「ぷっ、大勢って? この部に? 来るわけないじゃーん! アハハッ渚、マジウケる」
「葵うるさい!」
「分かったよ、じゃあ今年入った、妹に聞いてみるよ」
「は? それを早く言ってよ葵!」
「聞くだけだからね、渚焦りすぎ、マジウケるわ」
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