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『……あれから、もう2年になるんだな』
耳元で、蓮が言う。
そうだね、とわたしは、目を閉じた。
――2年。
2年だ。
思い返せばあっという間だけれど、それでも確実に、長い時間が経っていた。
あの頃、夢見がちな中学2年生だったわたしも、今はもう、高校生だ。
魔法が解ける時が。
――いや、『魔法を解かなければならない時』が、確実に、近づいている。
そして、蓮も、わたしも、きっとそれを知っている。
……だから。
こんなにも、つらいんだ。
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