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温かい。
眩しい。
…柔らかい。
何かに身体を包まれているような感覚だ。目を開けるのがもったいないような気がしたが、瞼の裏に滲む光が強すぎる。ゆっくりと瞼を押し上げると、鋭い光から守るように額の辺りにかざされた大きな手が見えた。
「………ん……?」
「………起きたか。おはようさん。」
視界を遮る大きな手がひらひらと動かされる。感覚の戻り切らない頭を動かして声のした方を向くと、銀色の髪を風になびかせながらおれを覗き込む整った顔があった。
「………ぅわ!」
意外なほどの至近距離で変わった色の瞳にとらえられ、慌てて顔を逸らせて体を起こす。起き上がった拍子に、頭の下に敷かれていたらしい千歳の制服のブレザーがふわりとはためいた。
「………え、おれ寝てた?」
「寝てたな。ちなみに今5限目終わったとこ。」
「…やば。っていうかおまえまで一緒にサボって大丈夫なのか…」
言いかけたおれの言葉を遮るように、千歳のいつもよりも低い声が響いた。
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