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右の肘をたたみ、あげた左膝頭につけた。
下ろすと、反対側の肘と膝をつけた。交互に数回繰り返して、車の音に負けない大声でいう。
「ヒジヒザ磁石を埋め込んだーぁっ」
おかしみを演出した節回しだった。
「費用はなんと二百万!」
ピースサインを出してから、お金を表すように親指と人差し指で輪っかを作る。
「あそーれ、カネガネーゼカネガネーゼ!」
輪っかを解いて顔の前で手を振った。
児童らは男に気づいた。突然のことに呆気にとられたのか一様に口を開けている。男はなおも続ける。今度はシャドーボクシングのような動きだった。
「電灯のヒモでボクシングーぅっ、雇った専属トレーナー! 費用は月々三万円!」
指で三を示してから、輪っかを作った。
「あそーれ、カネガネーゼカネガネーゼ!」
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