メグル・メグル・ロンド

14/16
前へ
/16ページ
次へ
あの店主と出会い、そして別れていたあの冬から…すでに、四半世紀の年月が過ぎ去りつつあります。 かつて、そのひとのことばにより語られていたいくつかの国、いくつかの都市、いくつかの建物。 それらを訪れる機会を、やがて私は得たのでしたが…しかし、あのことばほどには、どの都市も、どの建物にせよ、美しいものでも、華やかなものでもなかったように思われるのです。 そのひとのことばが、比喩が、あまりにも巧みだった、そのためでしょうか? それとも、長い年月のうちに、都市や建物そのものが、かがやきを失ってしまったのでしょうか…? その辺りのことは…私には、わからないのですけれど…。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加