メグル・メグル・ロンド

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橋を渡り切った辺りにある、小さな広場。 男にいざなわれるまま…少年は、止まったままの噴水に面したベンチに掛けていたのでした。 飛行機の模型のことは、気になってはいましたが…まだ、あの文具屋は、まだ閉店の時間ではないはずです…。 「その封筒の中に、地図がある。それを、広げてくれないか? そう、その大きな方だよ」 言われるままに、封筒をさぐり…少年は、地図を広げています。 男のことばに、すなおに従っていたのは…実は少年もまた、妙な文字の書かれてあるそれに、少しばかりの興味があったからでした。 その角の辺りは、すでに擦り切れていて…。 その印刷面は、もうとっくに、煤ばんではいましたが…。 それとは、そうとうに細かな、メルカトル式の世界地図でした。 「さて、行先は…どうしようか? 君の好きな場所へと、連れて行って上げることにしよう」 など、促されても…たとえば、この地図上のどれが、この国であるのかさえ、少年にはわかりはしません。 なので、行先の決め方は、男の提案にまかせることにしました。 男の指が、ぴん、と弾いていた銅貨が、落ちていた場所…。 長靴のような形の国にある古い都市が、銅貨の選んだ行先となりました。 「それなら、写真もある。ごらん、こんな場所さ」 と…?
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