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幼い頃の楽しみをひとつ、思い出す。
母親の娘時代のアルバムを見ることだ。
ほんのりと古びたセピア色の写真たちを、じいっと目を凝らして見つめるのだ。
わたしの目には、どうでも良いものが見えた。それは精神衛生上良くない、生きるには不必要なものばかりで。随分と嫌な思いもしたものだ。
しかし、そんなわたしにも娯楽はあった。
そう、さがすことである。
さかずのだ。人間以外のなにかが、写ってはいないかと。
どれが異物であるのかと。
この中の、風景の、人間たちの中から、間違いを見つけ出すこと。
だからといって、答え合わせなど必要ない。
わたしの目が、何よりも正しいのだから!
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