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朝、俺は頬をぴたぴたと小さな手で触られて目が覚めた。
ひどい頭痛がして、うめき声をあげて目を開いた。
いつものベッドじゃない。
ああ・・キッチンのソファでそのまま眠ってしまったんだ・・。
俺の顔の横、間近にアキがいた。
「とーたん、おきてー。」
俺はぞっとして跳び起きた。
昨日のことは夢じゃなったのか・・。
「アキ・・?」
俺はアキの頭をそっと撫でてみる。
うふふふふ。
アキが目を細めてくすぐったそうに笑う。
頬に触ってみて、慌てて手をひっこめた。
そこにいるのは確かにアキなのだが、何かが違うのだ。
なんと言い表せばいいのだろう。
精巧に作られた人形のような・・そうだ、質感が微妙に違う気がするのだ。
「お前は・・なんなのだ・・?」
俺が問うと、すぐそばで妻の声が聞こえた。
「アキ、いらっしゃい。こちらでおかあさんと遊びましょう?」
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