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「瑞希、いいバイトがあるんだけど、よかったら一緒にどう?」
大学の食堂で昼食をとっていると、友人の達哉が唐突に切り出した。
「バイトってあの、不動産の?」
達哉はよく自分のバイトについて言及していた。不定期だが、家主が死んだり夜逃げしたり、とにかく空き家となった物件を片付けるバイトだという。色んな物を見たり、その人がどんな人だったのか想像したりするのが楽しいと言っていた。
「そうそう。一人欠員で。今度の日曜なんだけど」
手帳を開くまでもなく予定が空いていることを知っていた瑞希は、二つ返事で引き受けた。
「じゃあ日曜に。詳細はあとで連絡入れとくよ」
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