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第1章 2 不安的中 大薮家襲撃事件
ー5年前、常陸国・大薮領ー
お父さんや家臣たちがお酒を飲んでいる間
結沙はちょうど屋敷を出ていた、夜空を見るためである。
結沙にとって夜空を見るのはただの趣味である。
そこへ……
「姫様〜! もう屋敷に戻りましょう。」
と呼びかけながらお付きの人が来た
もちろん、結沙には聞こえない振りをしている。
星を見ている時が彼女にとって幸せな時間だからだ。
「姫様!」「姫様!」
何度も何度も呼びかけるお付きの人
そしてようやく
「何じゃ?」
結沙が呼びかけに答えた
「あーもー姫様もう屋敷に…」
と話しかけた時に
「嫌じゃ!」
大きな声で反対した。
当然、星をまだ見ていたいと、言うのかとお付きの人は思ったが…少し結沙の顔が難しい顔をした。
それにはお付きの人のいつも通りに訳を聞いた
「何故でしょうか?」
そうすると珍しく結沙は、素早く答えた
「さっきなのかな?星を見に屋敷を出た時に北条の旗が見えた。私たちの一族を倒しに来たんだよ。 」
最初はお付きの人もまだ星を見たいがために嘘をついたと思った。でもそのお付きの人も結沙を探している時にその旗は目撃している。 でも安心させるようにこう言った
「確かに北条の旗が見えたとて、貴方様の屋敷を襲撃する事は絶対にありませんよ?」
「そうかな? 北条の旗が行った方向は、我が屋敷の方面だったけど?」
「………………」
これにはお付きの人も言葉を失った…
「私は屋敷に戻らないから。」
結沙はその言葉を言った。
ーその頃 大薮家の屋敷は…ー
北条の 鎌倉幕府の軍勢が攻めていた。
屋敷は炎に包まれた…一族・家臣は自害や幕府の軍勢に殺された。 女や子供も容赦なく…
お酒を飲んでいた大薮家の軍勢は呆気なく負けた。
そして襲撃したあと幕府軍はあることを思い出した
「そう言えば…1人子供がいないな?」
ある御家人が言った。確かに1人子供がいない。
それがこの大薮家の姫棟梁と言われる
“大薮 結沙”の事である。
ー第2章に続くー
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