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僕は家に帰る途中にもずっとテーマのことを考えていた。
綺麗な景色はどうだろうか。偶然の産物はどうだろう。
二人は何を撮るのかな。
そんなことを考えていたら近くのコンビニから声が聞こえる。
「おーい!瞬ぼっちゃん!」
声のする方向を見ると幼なじみの市川めぐが手を振っていた。
「えへへ。見えたから声掛けちゃった。一緒に帰ろ!」
めぐと僕は家が隣同士なので、家族ぐるみで仲がいい。
僕は写真部で、めぐはテニス部。大人しめの僕を引っ張りあげる太陽のような存在、それがめぐだ。
「なんか考えてる顔してたけど何考えてたの?あっ!まさかえっちなこと?ダメだよー私の体はピュアピュアなんだから!」
「違うよ・・・写真部で出されたテーマについてだよ」
「ああ、あの先生のやつ?今回は何だったの?前回は【花と果物】だったよね?」
「そう。あれは意外と大変だったよ。星也くんなんか弟の育てたアサガオちぎって喧嘩になったって」
「あはは、安藤くんらしいや!あの先生っていつも変なお題出すよね!【転がるペットボトル】とかもあったっけ!で?今回は?」
「今回は【二度と撮れない写真】だってさ。考えても全然わかんないよ」
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