安藤星也①

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ばあちゃんは何故か家族のつながり、血の繋がりを大事にしてる。俺にはよく分かんねぇけど。 怒る時には絶対に家族の誰かしらの名前出すし。 そうなったのも、ひいばあちゃんが倒れてから、な気がする。 二年前、ひいばあちゃんが倒れた、と家に電話が入った。自宅で転んで頭を打ったらしい。 命に別状は無かったが、体を壊してしまい、それからは病院で寝たきりの生活になった。 それでもひいばあちゃんは元気な人で、俺が母さんに連れられて病院で会った時は笑顔で「おぉ星也かい。ずいぶん日に焼けたねぇ。わっしゃしゃしゃ」と笑っていた。 ひ孫の俺の顔見ただけでわしゃしゃって笑うんだからまあ元気なんだろう。 それでも寝たきりでほとんどベッドから出られないなんて、不思議な話だな、と思っていたのを覚えている。 あれ以来俺はひいばあちゃんには会ってないけど、最近たまに母さんとばあちゃんがもうすぐだ、やる事やらないと、と真面目な顔で話していたりするので、きっとそういうことなんだと思う。 ばあちゃんにとってひいばあちゃんは・・・えっと、お母さん、なんだよな。 お母さんが死ぬって、どんな気持ちなんだろう。 俺の母さんが、死ぬ・・・? ・・・・・・全く想像がつかない。 なんか辛気臭ぇしこのことを考えるのはもうやめよう。 早く部屋の掃除をしないと母さんに怒られるし。 掃除をしている時、ふと本棚の奥からあるものが出てきた。 それは、ホコリを被った大きなアルバムだった。
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