R指定…シバの失踪2

2/2
前へ
/56ページ
次へ
俺は特に湊音の体臭が好きだった。嗅ぎまくってたらやめろよって言われたが……なんかすごく落ち着くんだ。 だが湊音は李仁と結婚してから臭いが変わった気がする。嫌な臭いでなくて、とにかく変わった。 もうあいつは俺だけのものではないんだ、それを知った。李仁は湊音と結婚したのにも限らず、湊音と肉体関係をやめないでくれとか言った。バカじゃないか。 よく自分の愛する人を抱けだなんて言えるな。まぁ、抱いてやったさ。李仁が過労で倒れたときは湊音は泣き縋って俺を求めた。そんなあいつもバカだ。 そして次第に俺は湊音の臭いが嫌いになった。 だから離れた。 でも愛おしく感じる。なぜか。 あいつが結婚する前に使ってたタオル。なぜか俺は持っていた。ただ湊音の臭いが欲しかったから勝手にパクった。うっすら残る湊音の臭い。 たまに嗅いではオナニーもした。もうほとんど臭いがないのに。 俺もバカだ。 俺はベンチから立った。さて、どこに行こう……。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加