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俺は特に湊音の体臭が好きだった。嗅ぎまくってたらやめろよって言われたが……なんかすごく落ち着くんだ。
だが湊音は李仁と結婚してから臭いが変わった気がする。嫌な臭いでなくて、とにかく変わった。
もうあいつは俺だけのものではないんだ、それを知った。李仁は湊音と結婚したのにも限らず、湊音と肉体関係をやめないでくれとか言った。バカじゃないか。
よく自分の愛する人を抱けだなんて言えるな。まぁ、抱いてやったさ。李仁が過労で倒れたときは湊音は泣き縋って俺を求めた。そんなあいつもバカだ。
そして次第に俺は湊音の臭いが嫌いになった。
だから離れた。
でも愛おしく感じる。なぜか。
あいつが結婚する前に使ってたタオル。なぜか俺は持っていた。ただ湊音の臭いが欲しかったから勝手にパクった。うっすら残る湊音の臭い。
たまに嗅いではオナニーもした。もうほとんど臭いがないのに。
俺もバカだ。
俺はベンチから立った。さて、どこに行こう……。
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