お土産

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お土産

「ただいまー」 「おかえりなさい」 僕は帰ってきた李仁に抱きついた。 「寂しくなかった?」 「寂しかった……」 「こら、キスする前に手洗いうがいするから待ってなさいよ」 たった2日会えなかっただけで本当に寂しかった。玄関には李仁のカバンと共に黄色い花がチラッと見えた。 しばらくリモートワークで自宅にいた李仁だけどシステムの関係で名古屋本社にどうしても行かなくてはならず、通勤のことを考えて2泊3日ビジネスホテルで泊まってたんだよね。 夜遅くまで本社にいたからLINEスタンプ一つか二つしか返信がなくて不安だったけどこうやって生身の李仁が無事に帰ってきてくれてホッとしている。 僕は勤め先の高校が休みになってしまったものの学校に行って掃除や今後のことを話し合うなど授業や部活動が無いけどそのほかはいつも通りだ。 「ミナくん、お待たせ」 うがい手洗いを終わらせた李仁がやってきた。再び抱きしめてキスをする。 「もーいっかい……」 「その前にお土産渡したいの」 「あの黄色いやつ」 「見えてた?」 「うん、隠すの下手」 「まいったなぁ」 と軽くおでこにキスしてもらって、李仁は花束を取りに行った。真っ黄色な花束。 「ミモザ。3/8はミモザの日。早いけど……」 「綺麗、ありがとう」 僕は早速ミモザを花瓶の中に入れて飾った。綺麗だなぁ。部屋が一気に明るくなった感じ。 ううん、李仁が帰ってきたからもあるだろう。一人でいるより二人でいる方が部屋の中は明るくなる。 素敵なお土産、ありがとう。 終
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