138人が本棚に入れています
本棚に追加
………
私とあなたと初めて会ったのは
渡り廊下だった…
私は友達とおしゃべりをしながら
移動教室へ行く途中
あなたは体育の授業を終え
ジャージ姿で私とすれ違った…
その時…
私は友達のおしゃべりに夢中になっていて
気がつかなかった
「おーいっ!」と言われて
私たちは振り返った
そして
あなたは私の前までやって来た
えっ?
…何で?
知らないクラスの男子が
私のペンケースを持っていた
自分の手元を見てみると
さっきまで持っていたはずの
ペンケースが無かった…
いつ落としたんだろう?
「コレ、君のでしょ?」
そう言って…私に渡してくれた
「…ありがとう。」
私がお礼を言うと
「うん、じゃあ。」
私にニコッと微笑んだ
「高世!早く行こうぜ!」
あなたは友達に呼ばれて
走って行ってしまった
「つばさ?高世のこと知ってる?」
友達の里依紗に聞かれた
「ううん…知らない。」
「1組だよ。新入生の挨拶覚えてないの?」
「覚えてない…」
「もう…つばさは…」
私はもう一度
振り返って高世くんを見てみた…
友達と仲良く楽しそうにしてる
横顔が見えた
この時の私は
まだ恋のこの字もなっていなかった…
………
最初のコメントを投稿しよう!