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部屋に戻っても、相変わらずスマホは鳴り続けていた。
蛍は恐る恐るスマホに出た。
「蛍か? 私だ、真壁だ。いまちょっと話せるかな?」
「あ、あ、はい……」
「実はちょっと蛍に頼みたいことがあってね。伊達さんと伊達さんの知り合いの身に起こったことなんだが、端的に述べると謎の少女、恐らく彼女は生霊だと思うのだが、その件で急ぎ依頼したいことがあるのだ」
「あ、はい」
「可能ならば、今晩か、明日の午後にでもCoph Niaに来れないか?」
「あ、はい。……ええっと大丈夫だと思います」
「そうか。申し訳ないね、急に無茶を云って」
蛍は固唾を呑むとスマホを右手に持ち替えた。
「じゃあ、具体的にはいつこちらに来れそうかな?」
「あっ、はい……えーと、とりあえず今日にでも」
「えっ、今日? 今日で大丈夫なのか?」
「は、はい。私の方も急ぎお伝えしたいことがありますし……」
「伝えたいこと? なにかあったのか?」
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