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「……だって、あなたはいつも私を驚かすんだもん。私には……私にはあなたの目的がなんなのかがわからない。どうして私を驚かせようとするの?」
留依が抗議する。
すると少女は意外そうな表情を浮かべ、
「あら、失礼ね。お姉ちゃん、私はいつもお姉ちゃんのことを考えているのに……、それに最近はよく一緒に過ごしているのに……。お姉ちゃん、私のこと覚えてないの?」と問いかけてきた。
お姉ちゃん? どういうこと? 私には姉はいるけど妹なんかいないよ。
「……あの、もしかして誰かと勘違いしてない? 私には……私には妹なんかいないわ」
その言葉を聞いた少女は、とても悲しそうな表情を浮かべた。
留依はあわてて言葉を追加した。
「い、いや、私は……私はあなたを悲しませるつもりはないの。ただ……ただね。私はあなたのお姉ちゃんなんかではないし、そのなんというか、あなたが勘違いをしているんじゃないかって……」
悲壮な表情のまま、少女はただ茫然と留依を見つめている。
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