神秘なる山麓を超えて 1

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「……だって、あなたはいつも私を驚かすんだもん。私には……私にはあなたの目的がなんなのかがわからない。どうして私を驚かせようとするの?」  留依が抗議する。  すると少女は意外そうな表情を浮かべ、 「あら、失礼ね。お姉ちゃん、私はいつもお姉ちゃんのことを考えているのに……、それに最近はよく一緒に過ごしているのに……。お姉ちゃん、私のこと覚えてないの?」と問いかけてきた。  お姉ちゃん? どういうこと? 私には姉はいるけど妹なんかいないよ。 「……あの、もしかして誰かと勘違いしてない? 私には……私には妹なんかいないわ」    その言葉を聞いた少女は、とても悲しそうな表情を浮かべた。 留依はあわてて言葉を追加した。 「い、いや、私は……私はあなたを悲しませるつもりはないの。ただ……ただね。私はあなたのお姉ちゃんなんかではないし、そのなんというか、あなたが勘違いをしているんじゃないかって……」  悲壮な表情のまま、少女はただ茫然と留依を見つめている。
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