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「……でさ、蛍が会ったその女の子だけど、こんな顔じゃなかった?」
蛍の説明を聞き終わった伊達が、自分が撮影した中世美少女Xの写真を蛍に見せた。写真を覗き込んだ蛍は「あっ」と声を上げると頷いた。
「この子ですよ、この子。この子が冴蘭です!」
蛍は写真を睨みつけながら、そう叫んだ。
それから真壁、伊達と蛍の作戦会議が始まった。
「蛍、追跡は必ず、自分自身の強い意志力とともに行われるべきだ。光体に意識を移したら、少女の容姿を頭の中に克明に想い描くんだ。それから彼女の名前を心の中で連呼する。そうすれば、自ずとおまえは少女の光跡と接触することができるだろう。あるいは、るいるいの夢の中に侵入してもいい。伊達さんが写したるいるいの写真データは後で送っておく。彼女の容姿も克明に想い描けるように練習しておくのだ」
真壁は蛍に適切な指示を与え、質疑応答を行った。
「頼んだぞ蛍」
真壁の真摯な眼差しが眩しい。蛍は、深く頷いた。
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