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隆にもそれは見えていた。正孝が放った光の先には肩まであるサラサラとした艶やかな髪をもつ少女が座っていた。
「ふふふふふ…………」
少女の猫のような双眸は爛々と輝いていた。彼女の薄い唇が歪み、不敵な笑みを浮かべている。
「ぐあああぁぁぁぁ!」
絶叫した正孝が留依に突進した。続いて隆もそれに続き、ふたりは留依の躰を無理矢理持ち上げると一目散に廃屋の玄関へと駆け出していった。
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
一瞬の間をあけて鏡花が絶叫した。あまりの驚きに硬直した四肢をひきずりながら彼女もまた玄関口に向かって突進していった。鏡花が廃屋から外に飛び出すと留依を抱き上げた正孝と隆がいた。
「鏡花、行くぞ、逃げるぞ!」
正孝の叫びに鏡花が頷いた。呪われた廃屋から、またあの漆黒の小道を駆け抜け、4人は命からがら逃げだした。
脱兎のごとく逃げ出した4人がいなくなった廃屋の居間にソレはいた。ソレは暗闇のなかで静かに囁いた。
「……追跡だ……」
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