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いない
天野さんとなんだかんだで交流することが多かった。蘭ちゃんを通して。
でも、ある日旦那さんは亡くなった。
仕事中らしい。詳しいことは知らないが…
天野さんは、これからどうやって生活するのだろうか。
「悠人が、いずれ仕事するので大丈夫です」
「え、いずれって…」
「前からやってました。私も働くのでお気になさらず」
うーーん。ほんとなのか?
俺はなんでもがむしゃらに、仕事を引き受けていた。でも、まだゆとくんは小さいのに…、働けるわけないよ。
蘭ちゃんとゆとくんはとっても仲良しで、いつも遊んでいた。お父さんが亡くなってから犬のキャンディーも仲間に加わり、仲良しこよしである。でもゆとくん、仕事はいつする?
あの怪しい占いの店にお客は来るのかな?お金のことが心配になった。
俺の仕事も忙しくて、天野さんの家のことまでは考えられなくなってきた。その頃、ふみちゃんも忙しくしていたようだが…
ある日、ふみちゃんも蘭ちゃんも日本に帰ってしまった。
置き手紙だけ残して。
離婚する、と。
俺は…なにをしてるんだ。なにも、家族のためにしてあげられていなかったのか?
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