渡米

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渡米

私、田中ふみは専門学校卒業した。 就職先は…アメリカ! 近所に住んでた、元メイクさんのおばちゃんから指導を受けて、コネでアメリカの仕事をもらった。ただのメイクを学んでいたわけではない。映画とかで登場する、特殊メイクである。というわけで、私は映画スタッフに混ざって仕事をするという、ステキ!な仕事に就くことができた。 おばちゃんは、割と凄い人だったということは知らなかった。でも、おばちゃん仕込みの私は即仕事に入ることができた。金髪ロングにしたのがよかったのか? ドラマとかのメイクをするかと思ってたけど…普通に映画とか!いきなりで舞い上がった。 スタジオにはたくさんの道具があって、見てるだけでわくわくする。メイク室はものすごい道具がいっぱい。紹介されたものを一生懸命聞く。今日は雑用をしながら学ぶことに。 そんな忙しいとき、 「やっほー!」 と誰かが部屋へ入ってきた。よく見ると、小柄な少年だった。この人、俳優さん? 「ミナキやっと来たわね」 「撮影忙しくってさ」 彼が入ってきたら途端に、仕事をしない人たち続出。 「あれ?君は誰?」 私に気がついて、話しかけてきた。 「あぁ、彼女は今日から入ったの。名前は…まだ聞いてなかったわね」 「あ、私、フミ・タナカです」 「え?やっぱり?日本人なの?」 「え、そうですけど」 「やっぱり!見た瞬間からわかったよ!僕の父も日本人なんだ!」 「え、あなたの?」
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