付き合ってみた

3/4
前へ
/35ページ
次へ
撮影が終わったら、また違うスタジオでの勤務になる。ミナキはいつもいるわけではない。個人で呼ばれてるし…。 ミナキとは電話くらいしかしてなかったけど、いつ会える?と言いながらも彼のスケジュールはびっしりだ。お互い忙しくて、ほぼ会えない。デートは喫茶店で変装してるミナキと会う。微妙な感じ。 「無理して会わなくてもいいよ?」 「そんなー!ふみちゃんと会いたいのにー!」 「あっそう」 「一人が寂しいんだ。ふみちゃんは?」 「え、私?」 日本からこっちに来て3ヶ月。友達もいないけど…いや、それはミナキのせいだけど。 「寂しくない、わけないけどー」 「じゃあうちに住まない?」 「は?いきなり?」 「順序は守ったよ?だからいいでしょ?」 「えー、でも」 言いかけたところ、口を塞がれた。 私と違って口で… 「ダメ?」 うわ、強引。嫌と言わせない気?てゆーかカフェでなにやってんだ。 「こ、ここ出るよ」 すっと立ち上がり、バックを持つ。 「えー!どこ行くの?」 「ミナキの家じゃないの?」 「え!いいのー?あ、まずふみちゃんの荷物持ってこなくちゃ」 てなわけで、うちに上げてしまった。 「メイク道具片付けたーい」 ミナキは無邪気に机に並べてある道具に直行。 「だめ、楽しくなって片付けできないでしょ?」 私はそれを無視して、クローゼットに押し込まれてる服やバックなどを眺める。どうしたものか。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加