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撮影が終わったら、また違うスタジオでの勤務になる。ミナキはいつもいるわけではない。個人で呼ばれてるし…。
ミナキとは電話くらいしかしてなかったけど、いつ会える?と言いながらも彼のスケジュールはびっしりだ。お互い忙しくて、ほぼ会えない。デートは喫茶店で変装してるミナキと会う。微妙な感じ。
「無理して会わなくてもいいよ?」
「そんなー!ふみちゃんと会いたいのにー!」
「あっそう」
「一人が寂しいんだ。ふみちゃんは?」
「え、私?」
日本からこっちに来て3ヶ月。友達もいないけど…いや、それはミナキのせいだけど。
「寂しくない、わけないけどー」
「じゃあうちに住まない?」
「は?いきなり?」
「順序は守ったよ?だからいいでしょ?」
「えー、でも」
言いかけたところ、口を塞がれた。
私と違って口で…
「ダメ?」
うわ、強引。嫌と言わせない気?てゆーかカフェでなにやってんだ。
「こ、ここ出るよ」
すっと立ち上がり、バックを持つ。
「えー!どこ行くの?」
「ミナキの家じゃないの?」
「え!いいのー?あ、まずふみちゃんの荷物持ってこなくちゃ」
てなわけで、うちに上げてしまった。
「メイク道具片付けたーい」
ミナキは無邪気に机に並べてある道具に直行。
「だめ、楽しくなって片付けできないでしょ?」
私はそれを無視して、クローゼットに押し込まれてる服やバックなどを眺める。どうしたものか。
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