引っ越してから

2/4
前へ
/35ページ
次へ
「あー疲れた。寝よう」 ふみちゃんは帰るなり、ベッドにごろんとなってしまった。いけない! すぐさまベッドサイドに座って揺り起こす。 「服買いに行こうよー」 「あーもう面倒くさい」 「お願い。行きたい」 「えー」 「かわいい服ある店知ってるよ」 「なんでよ」 ふみちゃんはようやく顔を上げた。 「仕事で使ってるから?」 「そ、そうなの?」 ふみちゃんはちょっと驚いているようだ。 なぜか?そうか、服も勉強してるの知らないんだ。よーし、絶対いい服買うぞ! 「うん、じゃーまず立って」 「え?」 ベットサイドに立たされたふみちゃんは不思議そうにしている。そっか、ふみちゃんはモデルさんではないから慣れてないんだ。 引き出しからメジャーを取り出し、ふみちゃんの測定開始するよ! 「はい、手をちょっと挙げてね」 「は、なにすんの?」 「サイズ測るんだよ?じゃ、胸からね」 べしっといっぱつ頭を叩かれた。 「なんでサイズ測る必要あるのよ!」 「えー基本だし」 「そこまでしなくていい!適当で!」 「だめだめーちゃんとしなくちゃ。しかも服って作りが違うのもあるんだよ?」 「…どうしても、測るの?」 「うん」 「ミナキはスタイルのいい人を測ってるんでしょ、どうせ。なんか嫌だな…」 「大丈夫、ふみちゃんスタイルいいから」 「知らないくせに」 「うん、だから測る」 「…もー」 と言いながらも手を挙げた。よーし、測るぞー!ふむふむ。モデルさんと違うのは身長くらいで、あとは全然いいじゃないか。 メモ帳に書いておこう。 「ちょっと、終わったの?」 「うん、さっそく行こう!」 いや、ちょっと待て。身長がないだけでこうも雰囲気違うのか。なんというかふみちゃんは、子供サイズと見せかけてグラマラス。勉強になる。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加