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蘭子
うちの子は蘭子という名前。
まだ3歳で、とっても小さい。すごくかわいいから食べてしまいたい!
「蘭ちゃん!ただいまー!大好きー!」
ちっちゃな蘭ちゃんに抱きついていっぱいキスする。…ん?反応ないなぁ。
「パパ、ゆとくんと結婚するの!パパはお口にキスしちゃだめ」
えー!?いつの間にそんなことになってるの!?
「でも蘭ちゃんはまだちっちゃくて、赤ちゃんだから、パパと結婚しよう?」
「パパ、ゆとくんと約束したの」
「えー!?うそー」
「ミナキ!うるさいなんなの!ご飯できたけど?」
「ふみちゃん、聞いてよ!蘭ちゃんがね、ゆとくんと結婚するって…」
「えー!?蘭ちゃんほんとに!?」
ふみちゃんもうるさくなった。一緒じゃないか。
「うん」
ふみちゃんも困ってる。こういうときは、本人に聞こう!
「よし、ゆとくんとこ行こう」
「え、ミナキ…」
「任せて?確認する!」
うちの近くにゆとくんは住んでいる。お父さんは日本人で、お母さんは日系アメリカ人。ゆとくんは悠人という漢字の名前。
「こんばんは。コバタです」
「あ、蘭ちゃんのお父さん」
ゆとくんのお父さんだ。
「蘭ちゃんが、ゆとくんと結婚するって言っててほんとかなって」
「パパー!ほんとだよー」
「ええと…そういうのは本人同士で話し合ったほうが」
「でも蘭ちゃんはまだ赤ちゃんだし…」
「…コバタさん、蘭ちゃんはもう赤ちゃんじゃないですよ?ちゃんと自分がわかります」
「そうですよね…でも、怖いこと…させられませんか?」
「え?」
「知ってるんです…夜な夜なゆとくんと出かけてますよね?」
「そ、それは…」
「なにしてるんですか?」
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