渡米

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「あの、さっきの人は何の仕事をしているんですか?」 「ミナキのこと?知らないの?」 「はい…」 「そうよね、フミは日本人だったわ。ミナキはファッションモデルよ。国内でしかまだ活動してないけどね」 「あ、そうなんですか」 なるほど。知らなくて当然。確かにモデルっぽく整った顔してた。 でも、ここにいるってことは…俳優もしてるってこと? 「それから、ミナキはメイクの才能もあるの。それで今日は来てるの」 「え…そうなんですか」 そんなミナキの話をしながらいつの間にか、作業に戻る。ゾンビメイクをする私。エキストラっぽい人だから任せられたのか? それから忙しくすごして、やっと帰ることに。すると、またあの子がやってきた。 「お疲れ様~ねえーフミ!」 「え、私?」 「デート行こう」 「は?」 その場の空気が凍りついた。 「ミナキは何言ってるの」 「そんなにいじわるしちゃだめよ!」 「ミナキったらしょうがないわね」 「ねぇ、だめ?」 こいつ、人の話聞いてないじゃない!自分のことばっかり。 「お断りします。ふざけないで」 「ふざけてないのに!」 「だからー、それがふざけてる!」 「…嫌いなの?」 「なんでそうなるの?何も言ってないでしょ?」 「じゃあ好き?」 「はぁ?」 きりがない。他の人達は呆然としてるし…その場から逃げることにした。 「えー!ちょっと待ってよー!」
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