渡米

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「で、でも付き合ってないじゃん?」 「じゃあどうしたらいいの?」 こいつ。ひるまない。 「なんで私にこだわるわけ?」 「ヒトメボレ?だから」 言っている意味がわからない。なぞに日本語だし。しかし、会うたびこういう感じで詰め寄られるのか… 「じゃあ、付き合ってあげる…」 「え?ほんとに?わーー!うれし!」 いきなり抱きつかれた。細い腕が絡む。 しかもここ店だよ! 「気安く触んないでよ!」 「ごめん」 素直に離れ、謝るミナキ。 「あんたどんだけ細いのよ!」 「え、そうかな?うーん、そうなのかもしれないねぇ」 わかってるのか、わかってないのか。 「私より細いとかどうなってんのよ!」 「え、なにが?」 このやろう!わざと聞こえないフリ? 「じゃあ早速デートしよー!」 「はぁ?」 「付き合うんでしょ?お買い物」 「日用品なんですが」 「一緒に行くー」 という感じでミナキと付き合ってみたのだった。それから、ミナキのことを詳しく知り、ただのバカじゃないことがわかった。仕事もできるし、頼れるし。私のようにうだうだ悩まないし、スパッとした性格であった。
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