付き合ってみた

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付き合ってみた

「はーい注目!」 映画の仕事でまたミナキと一緒になった。事務所が違うから会うのはこの仕事だけ。 何を言うつもりなのか、ミナキは大声を出したけど… 「僕、ミナキはフミと付き合ってまーす」 「えー?」 皆がびっくりしてる。そりゃ私嫌がってたもの。それに、ミナキ好きな人多いしね。 「だーかーら!邪魔しないでね!」 そんな軽く言ってもねぇ… 「ねぇーふみちゃん!」 ちゃんって、何よ。 無視した。 その後、仕事に普通に入るミナキ。私はというと、質問責めされた。 「ミナキ、どうかしちゃったの?」 「フミ嫌がってたのに…」 まあ、そうなんですけど… 「断るのも面倒になって…ミナキはただパパラッチ除けって…」 「そーなのね!」 「フミなら女優さんと勘違いされないわ!その顔だもの」 「ミナキ頭いいわ。それで必死だったのよ」 ひどい、私ってそんなブスなのかよ! 仕事が終わって帰ろうとしてたら、ミナキがすかさず寄ってきた。 「ふみちゃん今から帰るの?ちょっと待っててもらえる」 「なんで私が」 「お願い!」 ぺこりと頭を下げる。日本風だ。 「理由は?」 「えーっと、モデル事務所の人にふみちゃん紹介しようと思って!」 「は?モデル?」 「うん、今から行くからさ!すーぐ準備するね」 言いながら、いなくなった。わかったとか言ってないよ?全然理解できてないのに。
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