付き合ってみた

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「お待たせ!」 変装してる。サングラスに帽子。お店でみかけたような姿だ。 「よし!行こう!」 うわ、超自然に手をつないだ。割と身長は高くない気がする。それにしても華奢よね。 「緊張するなぁ」 「いつも緊張してないじゃん」 話しをしていたら、着いた。 なんか、すごそうな会社なんですけど。 中に入り、 「はーい注目!」 また叫ぶ。これ、なんなのよ。 「どうしたミナキ?」 「なんだ?」 注目されてる…! 「はい!ミナキに彼女ができましたー!」 「ミナキに?」 「うそ?」 「ほんとでーす!こちらふみちゃんだよ?」 隣にいた私を前にそっと出された。この人たち、モデルさん関係者だよね… 「ミナキ…なんでまた急に?」 男性のモデルじゃなさげな人が困った顔をしていた。 「いいでしょー?パパラッチには気をつけますー!」 私はパパラッチ除けに付き合ってると言ってしまったが。 「ふみちゃん、ねぇ何か言ってよ」 「え?えーっと私はフミ・タナカです」 「君は日本人なんだね」 「へーミナキそういうこと?」 どういう?こと? 「日本人好きって言ってたから」 なにそれ、誰でもよかったのかよ!…別に、私は好きじゃないけど。 「さーって!仕事するか。ふみちゃんもおいでー」 スタッフさんを置き去りにして離れる。 「ねぇ、ミナキ。なんでふみちゃんって呼ぶの?」 「好きな人にはちゃんを付けるんじゃないの?」 間違えてる気がするけど…まぁいっか。 そのままミナキとメイク室に入る。仕事はモデルの仕事…ではなくメイクである。さらに髪の毛のセットまで。 「そんなこともできるんだ」 「褒めてくれるの?ありがとー!」 「そうじゃなくて…」 「ん?」 ミナキはきょとんとしていた。 「ミナキはね、元々モデルで入ったんだけどメイクさんに才能あるって言われて勉強したのよね!すっかりヘアメイクさんよ~」 髪の毛をセットされている、キレイなモデルさんに教えてもらえた。 「エレナ、ふみちゃんに僕のこともっと話して!」 「モデルさんに命令しないの!だめでしょ?」 「そーじゃないのに」 「ミナキ怒られちゃったね」 「うん。なんだか照れるな」 意味わからん! 「私、帰ります。お邪魔しました」 「あら、まだお話したかったわ」 「エレナが言ってるから、まだいたら?一緒にいようよー」 「まぁ、ミナキったら!そんなこと言うようになったの?」 モデルさんは謎の驚きを見せた。保護者的な? 「…照れちゃうな」 これじゃミナキは仕事できないし、迷惑かける。 「えーふみちゃん!ほんとに帰るのー?」
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