実験小説

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実験小説

 今回、100人目のフォロワーさんとなって下さった方を主人公に見立てて小説を書いてみる、という宣言をした。  ふとした思いつきで深く考えてなかった。  さて、そこへ100人目のフォロワーさんが現れた。KGさん。  KGさんに、その旨、相談させて頂き、快諾頂いた。  それからKGさんのイラスト集を拝見、作品を熱心に読み込む。  読み込んでみて、まずKGさんのキッチリした人間性に驚く。知識の巾が広く、それでいて文脈のところどころに豊かな情緒表現が挟まれ、物語は理路整然と展開する。しかも、誤字脱字がほとんどない。自己管理能力の高さにも敬服する。  挿絵のイラストの完成度は背筋に電気が走るほど緻密でありながら、豪快でエネルギッシュ!  KGさんの奥深い世界を前に、大変な申し出をしてしまったと気づく。こちらから依頼したのだから前進するしかない。僕は真面目に悩んだ。  僕は果たしてKGさんにご迷惑をおかけしないような作品を書き上げることができるのだろうか。  僕が妙な作品を書いてKGさんの品格に傷をつけるようなことになっては大変だ。  それから数日、悪戦苦闘する。普段お気楽な思いつきの小説しか書いていないため、フル稼働で疲労した脳は、ついつい気晴らしに『不毛の愛』などの駄作を呟いたりしてしまう。某師匠に(心の不安定さ)を見抜かれ慰められる。自分が普段は如何に不毛な作品ばかり書き殴っているか反省する。  そもそも、見知らぬ作家さんを主人公にした作品を考えるなど、少し冷静に考えれば 『ハッ?何言ってんの?頭どうかしてるんじゃないの?』 と誰でも思う。  自分で自分に突っ込んでも仕方がない。  けれど僕は、KGさんの寛大な優しさに見守られ、息も絶え絶えに、今朝の16時ギリギリまで『K&G終わりなき戦い』を書き続け、とりあえず「負けられない戦い」妄想コンテストに応募した。  苦悩し過ぎて「言葉」を噛み砕く余裕がなく、小説とは言いがたい長いメモ書きのような作品になってしまった。    人の土俵で相撲をとる、という事の難しさを知る。  同時に、とても良い勉強、修行になったことは事実。思いつきで突っ走る自分の風来坊的な尻の軽さは、時に失態を繰り返し、ごく稀に思いがけない宝物を発見する。  高校生に戻って見知らぬ世界を旅して来たような達成感がある。  あたたかい心で受け止めて下さったKGさん、溺れかけの僕にペコメやスターで応援して下さった皆さんに、この場を借りて感謝とお礼を申し上げます。  
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