ノンフィクションではありません

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ノンフィクションではありません

「この作品はノンフィクションですか?」 という質問を、時々いただくので解説。   この作品は作品でありノンフィクションではない。  では『正体バレた日の興奮と冷徹』の方がノンフィクションに近いのかと思われる方への答弁。  どっちもノンフィクションに極めて近い!  俺は長年、同時並行で複数の職場に通ってきた。依頼されれば可能な限り2か所でも3か所でも出向いた。いろいろな職場で、いろいろな立場で、より多くの人々と接することで自分の世界観が広がると思ったから。    だが今は母の年齢や精神状態を考え、自分の職場一本にしている。複数の職場に通っていた時に比べ今が一番忙しいが。  ホストをしていた…ということはイケメンなのだろう!と誤解してる方もいらっしゃるが、正直、普通。  だが『写真詐欺☆シャシンサギ』のように、俺の顔はこの数年で変貌した。十年以上前から会っていなかった人と出会うと、ほぼ100% 「変わったので誰かわからなかった!」 と言う。  ここ数年の間に知り合った人は、俺の過去の写真を見ても誰かわからないと言う。人間は生き方で本当に顔が変わる。自分でも驚いている。  俺は決してイケメンではないが、今の自分の顔は好きだ。10年後、今よりもっと好きな顔になっているように生き方を変え続けたい。  どんなに忙しくても、どんなに疲れていても、生き方は変えられる。逆に言えば、多忙で疲労困憊で余裕がないからこそ、やむを得ず開拓される神経回路がある。無理矢理、強引に心身のフル稼働、いや過働?を続けていると、神経や脳細胞に百姓一揆みたいな騒動が起きて、その多忙や疲労を乗り越えようとする。よりハイスペックな新たなる自分が芽生える。  朝、歯磨きしながら覗く鏡の中には、毎日、見ず知らずの俺がいる。 「こんな顔だったっけ?」 と毎日のように思う。  一方で、こんなことしていたら『珍説ウサギ♀とカメ♂』のカメ♂のように寿命を削っている、という不安はある。  だが、こんな時代だ。寿命などわからない時代だ。まさに命あっての物種。書けるだけ書いて死にたい。  音楽が好き、特にショパン、ピアノを弾く、というのは事実。しかしながら偏屈なため、鑑賞する場合、ショパン弾きのピアニストは選ぶ。  ★ノクターンなら 「サンソン・フランソワ」「マリア・ジョアン・ピリス」 「ユリアンナ・アヴデーエワ」  ★バラードとスケルツォなら 「チョ・ソジン」「クリスティアン・ツィマーマン」  ★すべて素晴らしいのは 「ラファウ・ブレハッチ」  いろいろ聞いても、今はそこへ戻ってしまう。 ※すべてYou Tubeで無料で視聴可能 興味のある方は他のピアニストとぜひ聞き比べてみることをお勧めする。  若い頃はベートーベンを聴いた。『交響曲第5番 運命』を一日中繰り返し聴き続けた日々もあった。その音楽がなければ自分は今ここにいなかった。  だが、ベートーベンの人間性に非常に似通っていた自分が、新たに生き直すために選んだのはショパンの人間性だった。  最後に一つ、ここだけの話。  俺の欠如について告白する。  もしかすると数日後、以降は削除するかもしれない。  正体バレに近づき過ぎて不安だから(笑)  俺は幼い頃の病気が原因で片目しか見えない。その事実は成長過程で非常に複雑な思考回路を生み続けた。俺はその事実を隠蔽してきた。今も隠蔽している。だからもちろん障害者の申請をしていない。  視力検査、見た目、どう考えても完璧にゴマ化すことは難しいが、何とか乗り越えてきた。平均台、自転車、一輪車など、体のバランスを保つ動きは非常に難しい。野球や卓球などの球技も厳しい。幼い頃から、人よりうまくその動きをするために、俺は努力し工夫し研究した。両方の目が見えた場合の世界を様々に想像した。  この秘密の欠如に俺は今、感謝している。この欠如の秘密を死守するために俺は、物心ついた時から『平和なフリをするための地獄のような努力』を日常としてきた。  なぜ秘密にしたかったのか?  病気のせいで俺の目が見えなくなってないか、幼い頃、しばしば親に聞かれた。片目を隠され検査的なことをされた。その度に俺は見えるふりをした。 「よかった。それだけが心配だった。」 と母は毎回のように言った。  俺は見えないと言えなくなった。とある時点まで秘密を守り切った俺は、秘密を暴露するチャンスを失った。  人に言えない苦しみは、時に人を支える。俺は大きな欠如がある自己に満足している。永遠に取り戻せない欠如は、永遠に未完成で幻想と共に歩まねばならない不可思議な拘束でもある。様々な拘束をエネルギーに変換する作業ほど面白いものはない。  先日、亡くなったミツルを想う。彼の不自由さからの挑戦に比べれば、俺など足元にも及ばない。
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