高校時代

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高校時代

 フミヤと俺は違う高校に進学した。俺は別に親に強制された訳じゃないが、何となく医者になろうと自分で決めていた。  高校時代の親友はいない。高校時代の記憶は、勉強したことと、本を読んだことだけ。  父親の本棚にあった世界文学全集と日本文学全集を全部読んだ。子どもの頃には絵を見ていただけだった世界美術全集、日本美術全集やクラシック音楽の全集の解説も何度も読んだ。家にあるものしか読まなかったのは時間がなかったから。毎晩、夜の11時過ぎまで塾にいたし、戻ってきても3時近くまでは勉強した。    その途中休憩で、ちょっとお茶を飲みながらチラチラと本を読むのが最高のストレス解消だった。受験勉強では使わない脳の神経回路を使うことでバランスが保たれていたのかもしれない。
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