4/4
前へ
/21ページ
次へ
*  と、そんな訳で俺は今、近所のコインランドリーへと訪れている。女が入浴している間に洗濯しようという算段である。いったい何日着続けていたのかわからない女の服やら下着……やっぱ臭い! がグルングルンと回っているのを目で追っていると、顔見知りの駐在さんが遣って来た。モテない者同士、彼とは親しいのだ。  最近、下着泥棒が頻発しているので巡回しているらしい。 「ごくろうさまです!」  と、溌剌(はつらつ)な声を掛けた俺の手には、その時しっかりと女の花柄ブラと、可愛いリボンつきパンティが握られていたのだった。  そんな訳で、おかしな女を拾ったが為に、狂いはじめた俺の平穏なる人生は、下着泥棒として逮捕さるという最大の危機を迎えたのである。 「俺は無実だ~!」 〈前編了〉
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加