3/6
前へ
/21ページ
次へ
 早速、近所のコンビニで予算の関係上、菓子パンと白い牛乳で腹を満たそうと思い、出掛けた。  俺は牛乳が好きだ、あの白い液体が俺の喉をゴックゴックと通り過ぎ、胃袋にドップドップと下り落ちるバリュウムの如き(さま)を想像するだけでも生唾が出て、胃がキュウと鳴ってしまう程である。  そんな意気揚々と、ワッシワッシとサンダルを滑らせる俺の目の前に、俺が今朝不幸な目覚めを迎えるに至った元凶であるあの女が、またしても現れ()たではないか。  場所は俺の進行方向、前方約五十メートル、今回はなんと男に路上に押さえつけられ、まるで子供のようにジタバタと手足を振り回している。  やはり、変な女だ。道路に寝っころがるのが趣味なのだろうか?  俺は女を見なかったことにして、横道に逸れ足を進めた。ところがあの小娘め、俺を目敏く発見するなり、さり()なく手で顔を隠していた俺に向かって叫びやがった。 「助けて!」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加