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10、2番目の孫(2)
妊娠予定日の1ヶ月前に、嫁に陣痛がきた。
夜中、急にお腹が痛いと言い出し、私と息子と3人で病院に車で連れていった。
嫁は前置胎盤で6ヶ月くらいから出血があり、その上
出産も1ヶ月早い。医師は子が早熟で問題が出るかもしれないと告げた。
陣痛の痛みと高血圧からか、嫁は呼吸困難になり酸素マスクを装着した。私も祈る気持ちで、嫁の腰をさすったり、足を揉んだりした。
ー何がどう間違ってこうなったんだ。
私は4人の子を、スッスッと産んだのに、嫁は何でこんなに弱いんだ。
1番目の子の時も予定日より3週間も早い出産だったし、2番目はもっと早い上に、問題がでるかもしれないという。嫁も危ない。
もっとよくしてあげればよかった。絶対男の子を産めなんて言わなきゃよかった。
ーとにかく健康で、無事でいて欲しい。という思いだけに私はなっていた。手も自然と祈る形になっていた。
ただただ祈った。
「おめでとうございます。男の子ですよ。母子共に元気ですよ」
看護士の声が聞こえた。その声に自然にホロリと涙が流れた。
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