真壁厚の問題

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 「花粉症、酷いの?」  今、話しかけているのは美貴。俺は二人の違いが本能的というか感覚的にわかる。  問題はそう、美貴との関係だ。  美樹からお願いされている。  「私はいつまでも美貴の中にいてはいけない存在。だからケリをつけて欲しいの。    厚は美貴のことも愛してくれる?  無理にとは言えないけど、私が厚のことを愛していると同じくらい、美貴も厚のことを愛しているはずなの。元々は美貴の人格なんだから。  美貴にはこんな素敵な仲間がいるんだから、もう私の役割は終わりにしなきゃ。  だから、お願い。    美貴の中から私を消して。」  ったく、どうしたもんか。  美貴を愛せるか?  美貴の人格は男だろ。  まぁ、体的には美樹のときと変わらないけど…。  そもそも美貴は俺を愛してるのか?  美貴と美樹の記憶が共有しているなら、俺との関係もわかっているはずだろう。  その辺の美貴の心はどうなってるんだ?  あー、考えれば考えるほど、どうしたら良いのかわからない。  美樹の願い、どうしたらよいものか。    考えがまとまらないまま、鰆岩までの道程の半分くらいが過ぎていた。
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