塩満元太の欲求

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 中学生になっても、悶々とした生活を送っていた。  友達に付き合って女子とのグループデートなんかもしたが、余計にむなしくなるだけだった。  満たされることがないこの感情。  でも、自分に正直に生きられるほど強くはない。    自分を慰めるときに浮かぶのは、プロレスラーだったり柔道の無差別級の金メダリストだったりした。  転機はひょんなところから訪れた。  夏休みの課題の調べもののため、私立図書館に行ったとき、そのすぐ隣のグラウンドで地域の社会人ラグビーチームが練習をしていた。  逞しい男同士が、その鍛えられた身体を激しくぶつけあい、組み合ったり、揉み合ったりしている姿に性的興奮を覚え、熱視線を送り続けた。  その夜は興奮してなかなか寝付けなかった。  何度も繰り返し良からぬ妄想をして果てた。  そして、気づいたらグラウンドに通いラグビーの練習を眺めるのが夏休みの日課となった。  「いつも練習を見に来てるね。   ラグビーに興味あるなら、ジュニアチームの練習に参加してみない?   君、いい体格してるし、ラグビーに向いてるよ!」  ってな具合に俺のラグビー人生は始まったのだか、  実際にやってみると、こんなに身体と心を燃やせる競技だとは思わなかった。  もちろんエロい気持ちも消えてはいないのだが。  
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