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横溝隆、真壁厚、瀬名川美貴の三人には感謝している。
雄介は元々居残り練習をしていた。
でも、それはあまり効率がよいものではないということを、自分も時々居残り練習の手伝いをしていたのでわかっていた。
そこで、頭脳明晰でチームの頼れる司令塔、スタンドオフの隆に相談をしたところ、
隆の熱い心を刺激したのか、
その日のうちに居残り練習に参加してくれるようになった。
不器用な雄介だが、辛くても反復練習を怠らない心の強さがある。
だから、運動神経とはあまり関係ない、単純にパワーと持久力の向上に特化したメニューを隆は考えてくれた。
そして、戦術面で隆と共に要となっていたスクラムハーフの厚も居残り練習に参加してくれた。
かわいい顔をしているが、クールな印象の厚が参加してくるなんて、本当に驚いた。
スクラムハーフはいわばフォワードの司令塔。
雄介にただ闇雲に組んだりぶつかるのではなく、そのときそのときの意図をしっかり汲むように教えてくれた。
厚と仲が良かったフルバックの美貴も参加してくれた。
きっと最初は厚に無理矢理連れてこられたんだろうけど、元々が優しい男である。
そして、チームナンバーワンと言われるキックとキャッチの名手でもある。
そのうちのキャッチの技術やこつを優しく雄介に教えてくれた。
そして、雄介の努力は実った。
最終学年でレギュラージャージをゲットして大泣きしているのを見て、俺たち四人も涙が止まらなかった。
こうして、雄介の居残り練習をきっかけに、五人の特別な絆が生まれて、この卒業旅行に至っている。
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